先日、CGSが「経営革新等支援機関に認定されました」という記事を投稿させていただきました。
今回の記事では、この経営革新等支援についてやそのメリットなどについて書いてみようと思います。賢く利用すれば色々なメリットをうけることができますよ!
経営革新等支援機関とは?
経営革新等支援機関(認定支援機関)とは、中小企業や小規模事業者の経営をサポートすることを国に認定された、一定以上の専門知識や実務経験を有する支援機関のことを意味します。つまり、国にお墨付きを受けて各種経営サポートをするプロフェッショナル、と言えます。具体的には、商工会や商工会議所、銀行や信用金庫などの金融機関のほか、税理士、公認会計士等も経営革新等支援機関として認定されています。
この経営革新等支援機関(認定支援機関)は、中小企業庁の管轄のもと平成24年8月に施行された中小企業経営力強化支援法に基づいて制定された制度です。平成24年の制定以後、多くの事業所が登録し、経営革新等支援機関(認定支援機関)の登録数は現在では約25,000件となっています。
しかし、実際のところ登録しただけで実績の無い事業所も多く、経営革新等支援機関(認定支援機関)を活用される場合には、過去の支援件数や支援内容などを確認されると良いでしょう。
メリット①金融公庫からの金利優遇
次に、この経営革新等支援機関を利用するメリットについて書いてみたいと思います。
日本政策金融公庫の「中小企業経営力強化資金」を利用する場合、経営革新等支援機関のサポートを受けると日本政策金融公庫の創業融資に比べておよそ1%ほど低い金利で融資をうけることができます。「中小企業経営力強化資金」を利用するために次の条件をクリアする必要があります。
- 経営革新または異分野の中小企業と連携した新事業分野の開拓等により市場の創出・開拓(新規開業を行う場合を含む)を行おうとする方
- 自ら事業計画の策定を行い、中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律に定める経営革新等支援機関(認定支援機関)による指導および助言を受けている方
つまり、新規創業するときに経営革新等支援機関(認定支援機関)から指導を受けて事業計画を作成すれば、金利優遇のある借入れをすることができる、ということです。
具体的には、返済期間5年以内の無担保・無保証の条件の融資の場合、日本政策金融公庫の他の創業融資だと金利2.4%となりますが、経営革新等支援機関(認定支援機関)からの支援を前提とした「中小企業経営力強化資金」の融資であれば金利1.45%で融資を受けることができます。なんと金利が約1%もお得になるのです!
仮に5,000,000円を5年返済の条件で融資を受けた場合、金利総額は、下記のとおりです。
金利 2.4% | 利子総額 304,980円 |
金利 1.45% | 利子総額 184,241円 |
経営革新等認定支援機関を活用すると実に120,739円の経費削減となります。
借入金額が大きければ大きいほど、借入期間が長ければ長いほど節約効果も大きくなります。余談ですが日本政策金融公庫からの融資のその他のメリットは、①保証協会の保証料が無いので経費削減となること、②融資のスピードが速いことです。
とかく設備投資など多額な資金をタイムリーに必要とする創業時には日本政策金融公庫から融資を受けることをお勧めします!
メリット②ものづくり・商業・サービス補助金
次に、経営革新等認定支援機関を活用することで受けられる可能性がある補助金、ものづくり・商業・サービス補助金についてお伝えします。
平成28年1月20日に成立した平成27年度補正予算案によりますと、中小企業庁は平成27年度補正予算において「ものづくり・商業・サービス補助金」として総額で1,020億5千万円の予算を取っています。「ものづくり・商業・サービス補助金」は、経営革新等認定支援機関のフォローを受けながら下記のような事業を取り組む中小企業や小規模事業者に対して、補助金を付与するという制度です。
① 革新的サービス・ものづくり開発支援
「中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドライン」で示された方法で行う革新的なサービスの創出・サービス提供プロセスの改善であり、3~5年で、「付加価値額」年率3%及び「経常利益」年率1%の向上を達成できる計画であること。または「中小ものづくり高度化法」に基づく特定ものづくり基盤技術を活用した革新的な試作品開発・生産プロセスの改善を行い、生産性を向上させる計画であること。
② サービス・ものづくり高度生産性向上支援
上記①.の革新的なサービス開発・試作品開発・プロセス改善であって、IoT等を用いた設備投資を行い生産性を向上させ、「投資利益率」5%を達成する計画であること。
これらは最大で3,000万円の補助金を受けることができます。革新的な新規事業に取り組もうと考えている方や、IoT等の技術を用いて生産性向上を図る設備投資を考えている方は、「ものづくり・商業・サービス補助金」の利用をご検討することをお勧めします。
まとめ
以上のように、経営革新等支援機関(認定支援機関)を利用することで、借入時に金利の優遇を受けることができたり、補助金をもらえることができます。その他にも、経営革新等支援機関は、財務や会計に関する十分な知識と、豊富な経験に基づいたアドバイスができますので、金利優遇や補助金いがでも多くのメリットがあります。例えば、経営革新等支援機関とコミュニケーションを取りながら融資計画の作成することで、ご自身の頭の中にあるビジネスモデルを明確なものにすることができます。また、経営革新等支援機関からの継続的なフォローを受けているということで金融機関からの信頼がアップし、その後の金融機関とのお付き合いを有利にすることができるケースもあります。
新規に借入れを考えている方や、新たなサービスの提供を考えている方だけでなく、設備投資を考えている方、その他金融機関との付き合いを改善したい方などもぜひ経営革新等支援機関(認定支援機関)をご活用ください!